スカウトを送り、返信が来て、カジュアル面談を設定した。ここまでは順調です。

しかし、カジュアル面談の後に「選考に進みたい」と言ってもらえない——。この悩みを持つスタートアップの人事担当者は非常に多いです。

カジュアル面談は、選考プロセスの中で最も重要なタッチポイントのひとつです。ここでの体験が、候補者の志望度を決定的に左右します。にもかかわらず、多くの企業がカジュアル面談を「なんとなく」で運用しています。

この記事では、カジュアル面談で候補者の志望度を上げるために実践すべき3つのポイントを解説します。


カジュアル面談が始まると、いきなり会社の沿革やプロダクトの説明を始める——これは最もよくある失敗パターンです。

候補者の立場で考えてみてください。スカウトに興味を持って面談に来たものの、30分のうち20分を一方的な会社説明に使われたら、「カジュアル」とは感じられません。むしろ、営業をかけられているように感じます。

カジュアル面談の冒頭では、候補者の話を聞くことに集中します。

これによって、候補者が何を求めているかを把握した上で、自社の魅力を「刺さる順番」で伝えることができます。

全員に同じ会社説明をするのではなく、候補者の関心に合わせて話す内容を変える。これだけで、面談後の選考移行率は大きく変わります。

ある支援先では、カジュアル面談の冒頭を「会社説明」から「ヒアリング」に変えたことで、選考移行率が25%から52%に改善しました。


カジュアル面談を人事担当者だけで行っている企業は少なくありません。

もちろん人事が出ること自体は問題ありませんが、エンジニア候補者がカジュアル面談で知りたいことの多くは、人事では答えられない領域にあります。

これらの質問に対して「確認して後日回答します」が続くと、候補者の熱量は急速に下がります。

カジュアル面談には、採用ポジションに近い現場のエンジニアに同席してもらいましょう。

組み合わせの目安:

ポジション 面談の出席者
バックエンドエンジニア テックリード or バックエンドメンバー + 人事
フロントエンドエンジニア フロントエンドリーダー + 人事
エンジニアリングマネージャー CTO or VPoE + 人事
PdM プロダクト責任者 + 人事

現場エンジニアが技術の話をし、人事がキャリアや待遇の話をカバーする。この役割分担が、候補者にとって最も価値ある30分をつくります。

「現場エンジニアの時間が取れない」という声もありますが、採用に失敗するコストの方がはるかに大きいということを組織として認識する必要があります。


カジュアル面談で候補者が「面白そう」と思っても、その熱量は時間とともに冷めていきます。

面談から3日以上何の連絡もなければ、候補者は他社の選考に集中し始めます。特にエンジニア市場では、優秀な候補者ほど複数社と並行して進めているため、スピードが採用の成否を分ける場面は多いです。

カジュアル面談後のフォローには、以下のスピード感が理想です。

面談当日(面談直後〜2時間以内) - お礼メール / メッセージを送る - 面談で話した内容に触れ、「個別にちゃんと覚えている」ことを伝える

翌営業日まで - 選考に進む意思があるかを確認する - 進む場合は、次のステップ(一次面接)の日程候補を3つ以上提示する

3営業日以内 - 一次面接の日程を確定する

ポイントは、候補者に「次のアクション」を考えさせないことです。「ご検討ください」ではなく、「来週の火・水・金でご都合いかがですか?」と具体的に提示する。

ある支援先では、面談後のフォロー速度を「3営業日以内」から「当日中」に改善したことで、一次面接への移行率が38%から67%に向上しました。


カジュアル面談で候補者の志望度を上げるためのポイントは3つです。

  1. 「聞く」から始める:会社説明ではなく、候補者の関心を把握してから自社の魅力を伝える
  2. 現場エンジニアを巻き込む:技術の話ができる人を面談に出し、候補者の疑問にその場で答える
  3. 面談後の空白をつくらない:当日中にフォローし、次のステップを具体的に提示する

カジュアル面談は「選考の入り口」ではなく、「候補者体験の始まり」です。ここでの30分が、最終的な内定承諾を左右します。


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