「採用代行(RPO)を使ってみたけど、結局うまくいかなかった」
こういう話を、スタートアップの人事の方からよく聞きます。
RPO市場は年々拡大しており、サービスを提供する会社も増えています。しかし、RPOは「どこに頼んでも同じ」ではありません。自社に合わないRPOを選ぶと、お金と時間を使ったのに採用ゼロ、ということも起こり得ます。
この記事では、IT・Web業界のスタートアップがRPOを選ぶ際に、最低限チェックすべき3つの判断基準をお伝えします。
まず、RPOで失敗する典型的なパターンを整理しておきます。
日程調整、候補者への連絡、面接日程のリマインド——こうした事務作業を代行してくれるだけのRPOは少なくありません。
もちろん人事の工数は浮きます。しかし、採用の成果(=内定承諾)には直結しません。人事の時間が空いても、「攻め」の採用を誰がやるのか?という問題は残ったままです。
RPO会社に「エンジニアを採用したい」と伝えたら、バックエンドとフロントエンドの区別もつかないまま、テンプレートのスカウトを大量送信された——。
IT・Web業界の採用は、職種の細分化が進んでいます。「Webエンジニア」と一口に言っても、使う技術スタック、開発文化、候補者が重視するポイントはまったく異なります。
月次レポートで「今月はスカウト200通送りました。返信は8件でした」と報告される。しかし、「なぜ返信率が低いのか」「どう改善するのか」の提案がない。
数字の報告だけなら、自社でもできます。RPOに求めるべきは「PDCAを回す力」です。
RPOと一口に言っても、カバーする業務範囲はサービスによって大きく異なります。
| 業務 | オペ代行型 | フルサポート型 |
|---|---|---|
| 日程調整・連絡代行 | ○ | ○ |
| 求人設計・JD作成 | × | ○ |
| スカウト文面作成・送信 | △(テンプレ送信) | ○(カスタマイズ) |
| エージェント対応 | × | ○ |
| 面接・面談代行 | × | ○ |
| 採用戦略の設計 | × | ○ |
チェックポイント: - 「上流(戦略設計・要件定義)」から入ってくれるか? - 自社の採用課題を言語化し、チャネルミックスを提案してくれるか? - スカウトの「量」だけでなく「質(返信率)」にコミットしてくれるか?
採用成果を出したいなら、オペレーション代行ではなく、採用の「中身」を一緒につくってくれるパートナーを選ぶべきです。
IT・Web業界の採用は、専門性が命です。
たとえば、バックエンドエンジニアを採用する場合:
- Go / Rust / TypeScript、どの技術スタックを使っている会社なのか
- マイクロサービスかモノリスか
- 開発チームの規模と裁量権
- リモートワークの方針
これらを理解していないと、候補者に響くスカウトは書けませんし、面談でも的を射た会話ができません。
チェックポイント: - 担当者自身がIT・Web業界での採用経験を持っているか? - エンジニアの職種(バックエンド / フロントエンド / SRE / データ等)を正しく区別できるか? - ビジネス職(PdM、事業開発等)の採用実績もあるか?
RPO会社の営業資料だけでなく、実際に担当するリクルーターの経歴と実績を確認することが重要です。
RPOの最大のリスクは、「外注先」としてしか機能しないことです。
依頼→報告のやりとりだけでは、自社のカルチャーや採用の温度感は伝わりません。結果として、候補者に対して「この会社で働く魅力」を正しく伝えられなくなります。
チェックポイント: - Slackやチャットツールで日常的にコミュニケーションが取れるか? - 採用会議に参加してくれるか? - 「言われたことをやる」だけでなく、能動的に改善提案をしてくれるか? - 担当者が頻繁に変わらないか?
優れたRPOは、社外のリクルーターでありながら、社内の採用チームの一員として振る舞います。この「距離感」の違いが、採用成果に直結します。
RPOを検討する際は、以下の3つを問いかけてみてください。
- 範囲:オペレーション代行だけでなく、採用の上流〜下流をカバーしてくれるか?
- 専門性:IT・Web業界の職種を正しく理解し、候補者に響くコミュニケーションができるか?
- 距離感:外注先ではなく、チームの一員として伴走してくれるか?
この3つがすべて「Yes」であれば、そのRPOは投資に値するパートナーになるでしょう。